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薬剤師 山口理子
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夏のトラブル編「意外に知らない汗の影響!!」

もうすぐ7月。これからどんどん気温も上がり、真夏を感じる季節、紫外線の強い季節となります。この時期のお肌対策として、あなたもしている「紫外線対策」。

紫外線対策はバッチリだし、この夏の準備は万端!と思っているあなた。実は、この時期に肌トラブルを起こすもう一つの大きな原因があるのです!

この正体が、『汗』。今日は、この汗と汗をかいた後のお手入れについて、考えて見ましょう。

汗はご存知の通り、汗腺から分泌されます。汗腺には、2種類あるのですが一般的にかく汗は、「エクリン腺」という汗腺からの汗です。エクリン腺は全身に約200万〜500万個あります。

しかし実際に働いている数は、約180万〜280万個といわれ、頭、顔、うなじ、手のひら、足の裏などに多く存在します。

汗の主な働きは「体温調節」。エクリン腺からの発汗の種類にはいくつかの原因があります。
 
1.温熱性発汗:暑いときや運動したときなど、体温調節のためにかく汗
2.精神性発汗:緊張や興奮したときに手のひらや足の裏などからでる汗
3.味覚性発汗:辛い物を食べたときに額や鼻などにかく汗
4.不感知発汗:通常の生活の中で意識しないでかく汗


この時期に一番多いのが、温熱性発汗。気温が高くなると汗をかき、それが蒸発するときに身体から熱を奪い、体温上昇を防ぐための汗です。

もし、この発汗作用がなかったら、体内に熱がこもってしまい熱射病で倒れてしまうかもしれません。汗は、私たちにとても重要な働きをしているんですね!

しかし、ここからが問題です。汗をかいた肌、一体、どんな状態になるのでしょうか....。

〔肌への刺激:その1〕
汗をかいて、そのままにしておくと、肌の表面は、アルカリ性のほうに傾いていきます。すると肌表面で細菌が繁殖しやすくなり、肌トラブルが多くなってしまいます。

〔肌への刺激:その2〕
汗をかくと角質層が水分を吸収してふやけてきます。また、アルカリ性に傾くことで、角質層が柔らかくなっています。このような状態のときに、汗を拭くために強くこすると肌を傷つけ、バリア機能の低下を招きます。

〔肌への刺激:その3〕
汗をかくと、角質層がふやけて、肌表面に開いている毛口と汗口が狭くなってしまいます。こうなると汗や皮脂がうまく排出されず、あせもやニキビが出来やすく、化膿しやすくなります。

〔肌への刺激:その4〕
汗をかいたまま、そのまま放置しておくと、汗が蒸発する際に、お肌の水分なども蒸発してしまい、皮脂だけ残ったベタベタの乾燥状態を招きます。

汗は、思った以上に肌に影響を及ぼしていますね。ただ、全ての汗が、お肌に悪さをするわけではありません。

汗は血液から作られ、体温が上がるとミネラル分と水分が汗腺に取り込まれ、ミネラル分は、血液中に再度吸収され、水分だけが発汗していきます。

このときの汗は、水分だけですので、お肌に刺激のない酸性の汗と考えいいでしょう。問題なのは、汗がアルカリ性に傾いた時です。汗の成分について少し触れてみましょう。

汗の大部分は水です。水以外の成分では、塩化ナトリウムが約0.65%、尿素0.08%、乳酸0.03%です。しかしこの成分は常に一定ではなく、運動して大量に汗をかいたときは、塩 化ナトリウムが0.9%に近づいていきます。

つまり汗の量が大量になるとミネラル分の再吸収が追いつかず、血液の浸透圧とほとんど同じアルカリ性の汗として排出してしまうというわけです。

普段汗をかかない体質、普段汗をかかないような生活をしている人は、特にこのアルカリ性の汗をかきやすいので要注意!汗をかいた後の正しいお手入れをしていきましょう。

【汗の後のお手入れ】

汗は放置せず、こまめに拭き取ること。ふき取る時は優しく軽く抑えるだけにしましょう。
汗が蒸発した後は、お肌の水分も蒸発しています。すぐにお肌への水分補給を行ないましょう。※ファンデーションを使用している場合は、帰宅後すぐに、ダブル洗顔をして、お肌にたっぷり水分補給。水パックもして下さいね。
化粧崩れをするからといって、何度もファンデーションの重ねづけは、オススメしません。アルカリ性の汗がファンデーションで蓋をすることで、ニキビなどのトラブルを招いてしまいます。この時期は、汗をかいたらすぐにふき取れるくらいのお化粧が望ましいでしょう。
一番のオススメは、素肌か素肌に近い状態でいることです。
 
今回は、汗のお肌への影響をお話しましたが、汗は、お肌に刺激を与えるだけではありません。汗は皮脂と混ざることで自然にできる皮脂膜でという「天然のクリーム」でなめらかさや外部刺激から肌を守る皮膚表面の保湿作用もあります。

この夏は、上手に汗をコントロールして、お肌を優しく守りましょうね!


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